例解 和文英訳教本シリーズは全部で４種類あります。その中でも大学受験におすすめな一冊「公式運用編」について以下のポイントに絞って解説します。著者は受験界では有名な小倉弘さんです。
レベルと特徴
向く人、向かない人
使い方
レベルと特徴
レベルは高めです。最初の一冊として選ぶには少しレベルが高いかもしれません。英作文について基本から学びたい場合は、もう少し基礎的なレベルの参考書を選ぶと良いでしょう。
基礎的な参考書としておすすめはZ会出版の英作文のトレーニング[はじめる編]です。↓
ただし、基礎的な英作文の力がある場合は非常におすすめの参考書です。上記の「英作文のトレーニング[はじめる編]」（←クリックすると「英作文のトレーニング［はじめる編］について書いた記事に飛びます」）と合わせてしっかりやりこめば、この２冊で最難関レベルの大学入試にも対応できます。
私の知る限り、京都大学・大阪大学・東北大学は大学入試の和文英作文で最も難しいので、この3大学を志望している場合は、この和文英訳教本をやりこんだのちに、過去問に取り組んで学校の先生などに添削してもらいましょう。
目次はこのような感じです。
「文法・表現別」と「テーマ別」の2部構成になっています。このバランスが絶妙なので、基礎的な力があればこの一冊で大学受験を突破することも可能です。
第1部 文法・表現別 はこのような感じです。
この第1部で扱われる英文は基本的なレベルですが、文法の説明がきめ細かく、非常に分かり易いです。続いて、第2部のテーマ別 の部分は以下の通りです。
第2部では表現に重点が置かれているため、可能な表現のパターンがかなり多く掲載されています。英作文の勉強をしていて困るのが、自分の解答と模範解答が違うことが多いことです。この参考書はかなり多い表現が掲載されており、かつ、それぞれの表現の妥当性を 〇 △ × と確認することができるので非常に役に立ちます。
この参考書が向く人
最終的に到達するレベルがかなり高いので、最難関レベルを目指している人には強くお勧めできます。一方で、私立大学で言えばGMARCHといったレベルの大学の場合、オーバーワークになる可能性もあります。（GMARCHと一括りで書いてしまいましたが、同じ偏差値帯であっても学校や学部が異なると要求されるレベルもガラッと変わるので、受験を考えている大学学部の過去問をよく見て判断してください）
また、国立大学や慶應経済・早稲田法学部のように、本格的な自由英作文が出題される大学を受験する場合もこの参考書を1冊しっかりと仕上げておくことを勧めます。自由英作文は和文英作文ができなければ、まず得点できません。
この参考書が向かない人
高校の基本的な文法をまだ習得できていない人は、まずは基礎レベルの徹底をしましょう。学校で使っている文法の問題集などを一通り理解し、覚えるべき項目を覚えることが第一優先になります。
また、先ほども書きましたが、それほど難しい和文英訳が出ない大学や学部を志望している人にとっては少しオーバーワークになる可能性があるので積極的にはお勧めできません。ただし、英語を得点源にして、英語で得点を稼ぎたい人は取り組む価値があるでしょう。
使い方
使い方は一般的な和文英訳の参考書と同様です。①日本語を見て自分の力で英語にしてみる（その際辞書などは使わない）②自分で書いた英文に自信がなければ辞書（英和辞典が望ましい）などを参考にして、見直しをする③解説をよく読み、理解する④（模範解答と違かった場合）もう一度日本語を見て英語にする⑤模範解答を数回ノート等に書き、覚える⑥２周３周と繰り返し学習する
多くの場合、最初に自分が書いた英文と模範解答が完全に一致することはないと思います。模範解答とは違うけど、自分の表現は正しいのだろうかと思うことも多いとは思います。可能であれば学校の先生など、身近な人にチェックしてもらいましょう。もしそれが難しければ、自分の表現の正しさを調べたりする時間がもったいないので、とりあえず模範解答を理解し、覚えてしまいましょう。
また、和文英訳教本 [公式運用編] は可能な表現が非常に多く掲載されています。全部覚える必要はありません。一つの表現につき、一つ覚えていれば十分です。出てきた表現全て覚えると時間が余計にかかってしまうのでやめましょう。
英作文は習得するのにそれなりの時間がかかります。英作文をテーマにした記事も書いてあるので、こちらも参考にしてみてください。
まとめ
最難関レベルの大学を目指す人にとって非常に良い参考書と言えます。実際に東大に合格した生徒にもこの参考書を薦めました。彼は英作文の勉強では学校のテキストとこの参考書しか使っていなかったので、和文英訳教本 [公式運用編] で十分だといえるのではないでしょうか。
英単語と同様に、英作文は習得に時間がかかります。また、色々な参考書があるためつい目移りしてしまいがちですが、この参考書一冊で十分な学力が身につきます。ぜひ、繰り返し学習して合格する力を身につけましょう。
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