フィリピン留学と検索すると、以上のようにネガティブな言葉が予測変換で出てきます。また、以下はウェブで検索した「フィリピン留学をお勧めしない理由 6つのデメリット」です。フィリピンとオーストラリアにそれぞれ短期留学した私が、自身の経験をもとにそれぞれに回答していきます。
ネイティブの英語を覚えることができない
確かにネイティブと比較すると、フィリピン人の英語は多少の訛りがある場合もあります。留学の目的が「ネイティブと遜色ないレベルの英語をマスターすること」であればフィリピン留学だけでそこに到達することは難しいかもしれません。
しかし、多くの留学を考えている人はそのレベルに達する前の段階(英語で日常的なコミュニケーションをとるのに苦労するレベル)だと思います。そういったレベルの人がまず行うべきは綺麗な発音で流暢に話す練習ではなく、間違えてもいいからとにかく話す練習をすることです。この学習段階においてネイティブによる指導は必要ありません。
また、フィリピン人講師に多少の訛りがあるとはいえ、彼らは流暢に英語を話すことができますし、教える力で言えばネイティブの人よりも高い場合が多い(フィリピンでは英語を教えることが普通であり、その分質の高い講師が多い)と言えます。例えばサッカーの強豪高校で指導をしている先生のほとんどはプロで活躍したような人ではなく、自身は高校や大学まででサッカーを辞め、指導しています。このような指導者がサッカーのプロではないからといって、プロで活躍した選手より指導力がないかといえば、そんなことは全くないでしょう。つまり、フィリピン人講師のレベルは一定の水準はクリアしているので、彼らの話す英語がネイティブに近いかどうかは関係ないと言って差し支えないでしょう。
さらに、ネイティブ英語と一言で言っても、イギリス英語とアメリカ英語とオーストラリア英語でもまるで異なりますし、アメリカ内でも州によって話す表現や癖が異なります。インドで話される英語も最近ではその一つのカテゴリーとして認識されるようにもなってきています。英語の良さの一つはこのようにスタンダードを一つに決めることなく広く受け入れてくれることでしょう。学校で学ぶアメリカ英語だけがスタンダートではないのです。
日本に比べ治安が悪い
確かにフィリピンは日本に比べ治安が悪いです。一方で私が行ったセブ島はフィリピンの中では治安が比較的良く、夜に外出したりしても危険を感じることはありませんでした。しかし、一部の地域ではやはり治安が悪いこともあるので注意が必要でしょう。
しかし、留学先もその点は非常に注意をしています。私の行った学校では門限があり、それを複数回破ると強制的に退学になるというルールもありました。学校の指示に従っていれば危険なことは全くないでしょう。基本的には学校内で全て完結するので、あえて危険な地域に行く必要はありません。
授業がきつい
実際に授業はそれなりにきついです。私の留学先の学校の時間割は以下のような形です。
月 〜 金 | |
8:00 ~ 8:50 | 個別レッスン |
9:00 ~ 9:50 | 個別レッスン |
10:00 ~ 10:50 | 個別レッスン |
11:00 ~ 11:50 | 個別レッスン |
昼休み | |
13:00 ~ 13:50 | グループレッスン |
14:00 ~ 14:50 | グループレッスン |
15:00 ~ 15:50 | グループレッスン |
自由時間 | |
20:00 ~ 20:50 | グループレッスン (選択式) |
午前中は一対一の完全個別授業です。私は上位クラスに在籍していたため、授業では基本的にはテーマに沿って会話をしたり、ディスカッションをしたりしました。クラスによっては文法にフォーカスした授業も行っています。
午後はグループレッスンで、多くても10人程度、基本的には生徒3人対講師1人で、ディスカッションをしたり、ちょっとしたプレゼンテーションを行ったりもしました。私のお気に入りだった授業のひとつは、CNNニュースのリスニングやディクテーションを行うもので、これはかなりハイレベルなクラスでした。10人ほどの生徒がいましたが、みんな英語で意見を言い合ったり、答えを発表したりしていました。
夜のクラスは希望制で、私がとっていた授業では洋楽のディクテーションをしたり、その曲にまつわる話を講師の先生がしてくれたのが印象に残っています。
自習室もあり学んだことを復習すると、かなりハードなプログラムになっています。確かに真面目に授業に出席することは大変ですが、その分、得るものは大きいです。とは言え、授業は基本的に英会話なので、講師の先生やクラスメートとおしゃべりをするのが中心です。机に向かって、英単語を必死に覚えたり、英文法の問題を解いたりする時間はあまり多くはありません。
さらに、中にはスパルタと呼ばれるプログラムもあり、上記の時間割にプラスで2時間ほど授業があったり、週末も午前中は授業があったりします。
外国で遊びながら何となく英語を学んだ気になるのが目的であれば、フィリピン留学はお勧めしませんが、英語を話せるようになりたいなら、間違いなくフィリピン留学はお勧めです。
オーストラリアでは授業は午前中だけで、その授業も全てが生徒10名程度のグループレッスンでした。私のクラスは上位クラスだったため、ヨーロッパや南米出身の生徒が多く、幸い日本人がほとんどいませんでした(クラスによってはほとんどが日本人ということも珍しくありません)が、やはり、10人もいると英語を話す機会が限られます。授業外で積極的に外国人とコミュニケーションをとらなければ、あまり英語を話す機会は作れませんでした。オーストラリアでも良い経験にはなりましたが、英語を話す機会としてはフィリピンに比べると圧倒的に少なかったです。
留学生でできる友人はアジア人
私はフィリピン留学で初めて外国人の友人ができました。朝昼晩の食事時間や、自由時間にも共に集まって話しをしたり、週末には一緒に出かけたりする経験を通して、たった3週間でしたが、非常に深い友人関係になることができたと思います。実際に、日本に帰国して10年近く経った後で、そこで知り合った韓国人の友人から結婚式へ招待をされました。
オーストラリアではドイツ人・韓国人・ブラジル人・コロンビア人・チリ人とも仲良くなりましたが、帰国後に連絡を取り合うほどの仲になった人はいませんでした。私は比較的英語が話せ、また、積極的に様々な国籍の人と仲良くしようとし、バーベキューなど多国籍の留学生が集まるイベントに顔をよく出したので色々の国の人と知り合いになれました。
確かに、多国籍の人と友達になる機会はオーストラリアのような国の方が多いかもしれませんが、積極性がなければ難しいです。フィリピンの場合は積極性がなくても学校内での活動時間が長いため自ずと仲良くなりやすい仕組みになっています。個人的には国籍問わず外国人と友達になるという機会が英語学習だけでなく、人生に厚みを加える上でも重要だと思うので、フィリピン留学で韓国人や台湾人と仲良くなることは、かけがえのない経験になると思えます。
結論としてはどこの国に留学しようと、積極性がなければ外国の人と友達になるのは難しいが、友達になりやすい環境を提供してくれるフィリピンの方がそのハードルは圧倒的に低いでしょう。
水やご飯が合わない人も
私にとっては食事は結構美味しかったです。フィリピンには多くの語学学校があり、その多くは韓国資本か日本資本になります。韓国資本であれば比較的韓国料理が多く、日本資本であれば日本食が多くなります。韓国料理といっても、全て辛いものばかりではなく、日本人も多く来るので日本人の口に合う食事もちゃんと出されます。
食事はバイキング形式で、多くの種類があるので嫌いなものは食べなくても問題ありません。また、スーパーに行けばマンゴーなど、南国ならではのとても美味しいフルーツが非常に安い価格で売っていますし、ピザのデリバリーなどもありました。以下は巨大ピザのデリバリーで、7〜8人で食べました。価格も一人100円程度です。
水に関しては水道水は飲まないようにし、ミネラルウォーターを飲んでいました。物価が安いので、全く問題ありませんでした。
一方で私が行ったオーストラリアでは食事は付いてなく、外食すると当時の値段でランチでも2000円程度かかりました。(現在は円安と物価高の影響もありさらに高騰しています)食費を抑えるために自炊をしていましたが、それでもそれなりにお金がかかります。
水に関しても水道水を飲むことはできますが、一度沸騰させお茶のティーバッグを入れて、それを冷まして水筒に入れて飲んでいました。ペットボトル飲料が一本300円程度するので、こちらも節約を心がけていました。
お腹を壊す心配はあまりないかもしれませんが、とにかく何を買うにしても値段が高かったです。
学校によってはインターネットが遅い
動画などを見るにはwifiの環境が良くないかもしれませんが、勉強するために行っているので、私は全く気になりませんでした。
ポケットwifiを日本でレンタルしていったり、フィリピンでSIMカードを購入する方法もあります。
いずれにしても、勉強に専念する分には気になりませんし、必要であれば解決策が複数あるので、こちらに関しても気にする必要はありません。
以上のように、私の経験から英語を学びたい人にとってはフィリピン留学は最大の効果をあげると思います。以下に別の記事も書いてあるので興味があれば読んでみてください。
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