Z会出版の『速単』で有名な単語帳です。この単語帳は「長文の中で単語を覚える」ことで記憶の定着を図ります。以下のような疑問に答えていきます。
対象となるレベルは?
メリットとデメリット
どうやって使えばいいの?
ぶっちゃけ覚えづらくない?
こんな人が対象です
https://www.zkai.co.jp/books/sokutan7/#level
今回解説するのが真ん中の『必修編』です。公式には難関私立(早稲田・慶應)を除き、ほとんどの大学をカバーすることができます。
構成は以下の通りです。
まずは英文。ちょっとした問題が付いているのもいいですね。
英文の和訳
z会
単語の情報 赤字だけでなく関連語も豊富です。
すべての重要語を長文内にちりばめるのはさすがに難しいようで、赤字以外でも重要な語はあります。単語によっては例文や、フレーズなども書いてあるので、隅々まで活用すればかなり高い語彙力を手に入れられるでしょう。
早慶や、一部の超難関国立大学を目指している場合は、追加で『速読英単語 上級編』まで覚えたほうがいいですが、必修編だけでもほとんどの大学はカバーすることができます。
メリット
速読英単語 必修編 のメリットは以下の通りです。
難易度順に 7 STAGE に分かれている
10レッスンずつの英文を 1 STAGE として、合計で7段階のレベル別となっています。例えば偏差値50あたりの大学が第一志望の場合は、7 STAGE まで覚えきらなくても大丈夫です。また、全部覚えるつもりだったけど、予定通りに進まず途中で断念してしまっても、重要度の高い単語は覚えることができているということになります。
読解力・リスニング力も鍛えられる
長文を読みながら学習ができるので、語彙力だけでなく、読解力がつきます。音読や音声を聴いて学習をすれば、リスニングの力も鍛えられます。単語だけでなく、英語の力をオールマイティに高めることができます。
デメリット
決定的なデメリットはありませんが、強いて言うならばという程度です。
単語に関する情報量がやや少ない
raise のように、例文や派生語等の情報が豊富な単語もありますが、すべての単語に例文などが付いているわけではありません。その点、ターゲット1900 は情報が豊富です。
最難関大学を目指す場合は1冊では不十分
最初にも触れたように、早稲田大学や慶応大学、東京大学や京都大学のようなトップの大学を受験する場合は、必修編だけでは物足りなさがあります。『速読英単語 上級編』や、『文で覚える単熟語 準一級』など、もう1冊学習した方が安心でしょう。
熟語は掲載されていない
DUO3.0 や 文で覚える単熟語 など、単語と熟語を同時に覚えられる単語帳もありますが、速読英単語は英単語に特化しているため、熟語を学習したい場合は別に熟語帳を取り組む必要があります。(速読英熟語という教材もあります)
速読英単語 必修編 の使い方
一対一対応型ではないため、様々な学習法が可能です。大きく2つに分けて使い方を説明します。
とにかく語彙力をつけたい
読解力やリスニング力は別にして、まずは単語を覚えたい場合です。
① 単語ページを利用して、単語の意味を覚える。
英単語を見て、右の赤字の意味を言えるように覚えていきます。必ず音声を聴きながら覚えるようにしましょう。単語カードを使って学習するとすぐに覚えることができます。
単語の覚え方についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
② 英文を黙読し、実際の単語の使われ方を確認
単語を覚えたら、英文を黙読し、実際に英文の中でどのように覚えた英単語が使われているのかを確認しましょう。英文全体の意味がよく分からない場合は、次のページの日本語を確認しても大丈夫です。
総合的な英語の力をつけたい
速読英単語シリーズの良さは、こちらにあると思うので、トータルの英語力を伸ばすために利用してみてください。
① 何も見ずに長文の音声を聴く
英文にちょっとした問題が付いているので、それに答えられるように集中してリスニングをしましょう。よく聞き取れなかった場合は、複数回聞きましょう。
次に、英文を見ながら音声を聴き、英文に対する理解を深めます。
最後に必要であれば日本語訳を確認します。
このプロセスを経ることで、リスニングの力がぐっと伸びるので、ぜひ、実践してみてください。
② 単語ページを利用して、単語の意味を覚える。
一つ一つ、分からなかった単語を中心に覚えていきましょう。詳しいやり方は上に書いたものと同じですが重要なのでもう一度書いておきます。
英単語を見て、右の赤字の意味を言えるように覚えていきます。必ず音声を聴きながら覚えるようにしましょう。単語カードを使って学習するとすぐに覚えることができます。
③ 黙読 → 音読 → オーバーラッピング → シャドウイング
最後に、覚えた単語を定着させる訓練を行います。
まずはもう1度英文を黙読し、内容を理解します。続いて、声に出して読みます。発音がうまくできないときは、音声を聴き、必ず正しい発音を意識して音読をしましょう。音読をする際は、機械的に行うのではなく、ゆっくりで良いので意味を理解しながら音読を行いましょう。
次はオーバーラッピングです。オーバーラッピング(パラレルリーディング)とは、音声を聴きながら同じスピードで音読をすることです。これを行うことで、正しい発音や、英語の間を習得することができます。
最後はシャドウイングです。シャドウイングとは何も見ずに、音声を聴き、その音声を繰り返すことです。かなり難易度が高い練習ですが、これができるとリスニングの力が飛躍的に上がります。
ここまで行うと、語彙力だけでなく、読解力・リスニング力まで鍛えることができます。
速読英単語 は覚えづらいのか?
速読英単語 を使っている人の中には「英文の中で覚えてしまって、覚えたつもりでも別の長文に出てくると思い出せない」というケースがよくあると聞きます。
結論から言うと、単語帳はどれもそんなものです。ターゲットのように1対1対応型の単語帳でも、「順番で覚えてしまう」とか、「長文に出てくるとやったんだけど思い出せない」ということは頻繁に起こります。
単語帳だけで完璧に単語を覚えることは難しいのです。単語帳で覚えた単語に長文中で出会い、「あ、この単語 単語帳でやったな。」という経験を積み重ねていくしかないのです。
そもそも単語は簡単には覚えられません。だから、どの単語帳を使おうが地道に努力をしないと身には着かないのです。覚えられないのを単語帳のせいにするのは、多くの場合自分の努力不足を単語帳に責任転嫁しているのです。
さいごに
もし、あなたが現在「速読英単語」を使っているなら、そのまま使い続けましょう。
もし、あなたが現在別の単語帳を使っているのなら、その単語帳を最後まで覚えきりましょう。
もし、あなたが現在、単語帳選びで迷っているのなら、「速読英単語 必修編」はとてもよい候補です。上に挙げたメリット デメリットをよく検討して判断してみてください。
単語の学習については以下の記事も参考にしてみてください。
【使い方】文で覚える単熟語 準一級 【こんな人は絶対おすすめ】
長文読解が苦手な人はこちら。
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