【神教材】『英文読解入門 基本はここだ!』

英文法

有名予備校講師の西きょうじ先生の参考書です。20年近く受験生に愛されている英文読解のバイブル的参考書。その名の通り、これ1冊で基本的な英文の読み方を学習することができる超良書です。以下のような疑問に答えていきます。

『基本はここだ!』はどのような参考書

『基本はここだ!』を使うべき人

『基本はここだ!』のどこが優れているのか

『基本はここだ!』の使い方

どのような参考書か

50の基本例文を通して文法事項と英文を読むうえでの基本姿勢を身につけることができます。約150ページと、参考書としては非常に薄く、最後までやり遂げるハードルが低いのも特徴です。次のような基本的な例文から、発展的な英文 Let’s try も含まれています。

基本例文 6

They stepped aside for her to pass.

Let’s try

That Beethoven, who was so passionately fond of music, should cease to hear, seemed too cruel to be true.

ちなみに、「あのベートーヴェン」ではありません。解答は最後に載せておきます。

どのような人が使うべきか

中学レベルの文法を理解した全ての高校1年生以上におすすめですが、受験生にとって大切なエッセンスが詰まっているような参考書なので、最難関の大学を目指していて、基本的なことは理解できているつもりになっている生徒にこそおすすめです。そのような生徒ほど目からウロコが落ちるような新しい気づきもあるはずです。

また、長文は何となく読めて選択式の問題はそれなりにできるが、和訳の問題になると減点が多くあまり得点ができない人にもおすすめです。

先ほど挙げた基本例文 6 を見てみましょう。

They stepped aside for her to pass.

なんとなく「彼らは彼女のためにわきへ寄った。」と解釈してしまうと、最後の to pass の処理に困りますね。ここを深く考えずに、「彼らは、彼女のためにわきへ寄った、通るために。」としてしまうと、「通る」のが誰なのかよくわからなくなってしまいます。この英文の理解に必要なのは「不定詞の意味上の主語」という考え方です。詳しいことはここでは解説はしませんが、不定詞の直前にある for her の役割は「彼女のために」ではなく「彼女」なのです。したがって、この英文の正しい和訳は「彼女が通るために(通れるように)、彼らはわきへ寄った。」となるのです。

このように、正しい文法のルールを英文の解釈に当てはめることで、「なんとなく」から「論理的に」英文を読むことができるようになります。

優れている点

非常に薄く、また基本的な内容が中心のため、やり通すハードルが低い

参考書を買うときはやる気に満ち溢れていても、分量が多く徐々にモチベーションが下がったり、難しすぎて最後まで続けられなかったりした経験はありませんんか?私自身も、本屋で参考書を選んでいるときは、やる気満々で、つい難しく、ページ数の多いものを選んでしまい、結局半分も終えられず、無駄になってしまうことがよくありました。

基本的には長年販売されているような参考書は良いものばかりです。しっかりとやり通せば力が付きます。しかし、一番大切なことは、やり通すことです。この観点からもこの参考書は優れていると言えるでしょう。

無駄がない

これだけ薄いのに、高校レベルの英文の重要な部分をすべて網羅していると言っても過言ではありません。無駄を省き、中学レベルの文法についてはあまり解説はありませんが、一方で高校レベルの基本的な部分はしっかりと解説がなされています。

英文の配列が秀逸

例文 1 から 例文 50 まで、非常によく考えられた順番で並んでいます。詳しくは使い方のほうで後述しますが、順番通りに読み進めていくと、最も効率的に理解を深めることができます。

解説がYouTube上に

著者の西きょうじ先生の解説がYouTube上で無料で視聴可能です。読むだけで理解できなかった時や、復習として聞き流すこともできます。「英文読解入門講義」

英文解釈の基本に関してはこの1冊で完璧です。わからないところがあれば繰り返し学習をしましょう。

使い方

前から順に丁寧に読み進める

苦手な分野を先に取り組んだり、分かっていると思って簡単そうな分野を飛ばしたりしないようにしましょう。最初で学んだものが後で関係してくることもあるので、必ず1ページ目から読み進めましょう。一番最初に「0 品詞の役割を知ろう」という項から始まりますので、品詞についての理解が浅い人はまずここをしっかりと読んでから、問題に取り組みましょう。

例題は全て和訳する

英文を見て、頭の中で日本語に訳して終わりにせず、手を動かしてノートなどに和訳を書いていきましょう。実際に日本語に直すことで、気づくこともたくさんあります。面倒がらず、必ず全て和訳をしてから解説を読むようにしてください。

和訳を正しくできなかった例文や、間違えた例文を多く含む章には印をつけておき、復習をする際の目安とする。

2周3周と繰り返す

1周目で印をつけた例文や章を中心に、2周目に取り組みましょう。Let’s try など、難しい部分も2周目となればそれなりにできるようになっているはずです。1周目と同様に、間違えた箇所には印をつけ、2周目が終われば3周目に取り組み、間違える箇所がなくなるまで繰り返してください。

辞書のように使う

完璧に理解ができた後も手元に置いておき、模試などで間違えたりしたときはもう一度振り返って該当する分野を読んでみると良いでしょう。繰り返し読み返すことで新しい発見があり、理解が深まります。

結論

どのレベルの大学を目指す人にとっても必須な、超優秀な参考書です。東大に複数合格者を出す進学校においても授業で使われることがあるそうです。何事も基本が大事です。ぜひ挑戦してみてください。

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おまけ Let’s try の解説

That Beethoven, who was so passionately fond of music, should cease to hear, seemed too cruel to be true.

「あのベートーヴェン」を主語と考えていくと、「あれほど熱心に音楽を愛していたベートーヴェンが聴こえなくなる」までは何とか処理できますが、その後ろの seemed の処理ができなくなってしまいます。そこで、ここまでの解釈が間違っていた可能性が高いと判断し、もう一度最初から考えます。すると、文頭の that の役割は「あの」ではなく、接続詞の that で後ろの文をまとめて「~ということ」という役割をしているということに気が付くでしょうか。(He believed that I liked playing soccer. この that と同じです。)そうすると、That ~ hear, までが主語となり「あれほど熱心に音楽を愛していたベートーヴェンの耳が聞こえなくなることは」seemed too cruel to be true 「あまりに残酷で真実とは思えないほどだった」となります。should は「すべき」ではなく判断を示す should なので訳す必要はありません。

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