東大受験指導専門塾「鉄緑会」による最強の単語帳の一つです。東大志望者だけでなく、幅広い層で使える非常に優秀な単語帳です。以下のような疑問に答えていきます。
対象となるレベルは?
メリットとデメリット
どうやって使えばいいの?
ぶっちゃけ覚えづらくない?
こんな人が対象です
レベル別になっていて、「共通テストレベル」「国公立2次試験レベル」「難関大レベル」の3段階です。一冊ですべてのレベルに対応できると言っていいでしょう。東大をはじめとした超難関大学を目指す生徒だけでなく、中堅レベルの大学にも対応可能です。ただし、推奨は全ての単語を覚えることなので、中堅レベルを目指す生徒にはややオーバーワークになるかもしれません。
構成は一般的な単語帳と同じような形です。左側に覚えるべき英単語が載っていて、右側にその訳語、また派生語や熟語、そしてその単語のイメージになるイラストが載っています。単語によってはその語源についても深く解説されていることもあり、情報が豊富です。
さらに詳しい情報は公式のHPも参考にしてみてください。
メリット
記憶に定着させるためのヒントがたくさんある
鉄壁の良さは、何と言っても情報量の多さにあります。機械的に単語を覚えるのではなく、語源やイメージを使って、単語の持つ雰囲気を身につけることができます。これによって、一度覚えた単語は忘れにくくなり、また、掲載されていない単語でも、想像力を働かせて意味を類推することも可能になる場合もあります。具体的には以下のような工夫がなされています。
・単語どうしを関連付ける
・イラストが豊富
・語源、派生語・語法の解説が充実
例えば conscience 「良心」の語源については、次のように書かれています。
例えばconscience「良心」という語は、スペルも難しく、一見とっつきにくい単語のように思えるかもしれません。しかしこの単語を con + science と分解してみてください。何のことはない、science 「科学」にconがついているだけだということがわかります。さらにsciに「知る」という意味があることがわかれば、scienceは「万物について知る学問」だと納得できますし、consciou「意識している」という語のスペルも覚えやすくなるでしょう。
鉄壁
多数の熟語を掲載
単語だけでなく、その単語を用いた覚えるべき熟語表現、定型表現も豊富に掲載されています。commonであれば、common sense「常識」, have A in common「Aを共通点として持つ」 といったようにです。また、重要な熟語はSECTION#38#39にまとまっています。
語彙は一冊で十分
最難関大学で要求される語彙はこの1冊で十分に獲得することができます。しかも、単語だけでなく熟語まで網羅されています。多くの単語帳は、単語帳とは別に熟語帳が必要だったり、単語だけでも2冊必要だったりしますが、鉄壁は分量も多いですが、1冊で十分です。もちろん、単語の学習に終わりはないので、「鉄壁を覚えれば知らない単語が出てこない」ということにはなりませんが、どんな難関大学でも鉄壁1冊で十分に対応可能です。
デメリット
今まで見てきたように、鉄壁は単語帳としては超優秀で正直あまりデメリットが見当たりませんが、あえて挙げるとすればつぎの2つです。
情報量が多すぎる
合計で704ページあるため、終わりがなかなか見えず、精神的に辛いかもしれません。裏を返せば、それだけ情報量が豊富だということですが。
難関大学を目指す人向け
3段階のレベル分けはされているものの、全ページにわたって単語が散らばっているので、最初の方だけを学習すれば基本的な単語を身につけることができるわけではありません。基本的にはすべて覚えることを前提にデザインされているため、共通テストレベルで十分という人にとってはオーバーワークになってしまうかもしれません。そういった人はターゲット、速読英単語、シスタンなどの定番の単語帳のほうが良いでしょう。
鉄壁の使い方
よく読んで理解しながら覚える
情報量の豊富さが鉄壁の強みです。1ページ目から読み、単語を覚え、例文で確認し、派生語なども一緒に覚えましょう。SECTION毎にチェックテストもついているので活用しましょう。
繰り返し学習する
1週目からすべての単語を覚えようとせず、1週目は最重要語(**)のみ、2週目は重要語(*)まで、3週目は難単語(無印)まで、4週目は派生語も含め全て覚える。このように繰り返し読むことで、記憶に定着します。
音声も聴きながら
CDが別売りですが、単語を覚える際は必ず音声を聴きながら覚えるようにしましょう。誤った発音で覚えてしまうと、リスニングで聞き取れないことになりますし、当然スピーキングにも影響が出ます。音声を聴き、正しい発音で発声しながら覚えることで、五感に働きかけ記憶もしやすくなります。高額ですが、その価値はあります。
鉄壁は覚えづらいのか?
鉄壁 を使っている人の中には「順番で覚えてしまい、長文に出てくると思い出せない」というケースがよくあると聞きます。
結論から言うと、単語帳はどれもそんなものです。単語帳だけで完璧に単語を覚えることは難しいのです。単語帳で覚えた単語に長文中で出会い、「あ、この単語 単語帳でやったな。」という経験を積み重ねていくしかないのです。
そもそも単語は簡単には覚えられません。だから、どの単語帳を使おうが地道に努力をしないと身には着かないのです。覚えられないのを単語帳のせいにするのは、多くの場合自分の努力不足を単語帳に責任転嫁しているのです。
さいごに
もし、あなたが現在「鉄壁」を使っているなら、そのまま使い続けましょう。
もし、あなたが現在別の単語帳を使っているのなら、その単語帳を最後まで覚えきりましょう。
もし、あなたが現在、単語帳選びで迷っているのなら、「鉄壁」はとてもよい候補です。上に挙げたメリット デメリットをよく検討して判断してみてください。
単語の学習については以下の記事も参考にしてみてください。
【使い方】文で覚える単熟語 準一級 【こんな人は絶対おすすめ】
長文読解が苦手な人はこちら。
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