【大学受験】英作文やる必要ある?

英作文

タイトルの質問に対する答えは「必要がある」です。

大学受験において、重要だが軽視されがちなのが英作文の勉強です。近年はますます英作文の重要性が増してきています。この記事では英作文を勉強する意義・その方法について解説します。

私大なら英作文は勉強しなくていいって本当?

英作文ってどう勉強すればいいの?

自由英作文って何?

和文英訳と自由英作文

まずは上記二つの違いを確認しましょう。

和文英訳とはその名の通り日本語を英語に直す問題です。一部の私立大学・多くの国公立大学ともに出題されます。例えば「近年ますます多くの日本人が英語を話せるようになってきている。」という日本語を英語に直すような形式の問題です。

自由英作文はあるテーマが与えられ、それに対して自分の考えなどを英語で書く形式の問題です。こちらも一部の私立大学・多くの国公立大学で出題されます。例えば、「学生服は必要かどうか、あなたの意見を100字程度の英語で書きなさい。」という問題です。

このような英作文の問題は答えが1つに決まらないため、採点が難しく時間がかかるという大学側の問題があります。私立大学の場合、受験者が多く採点に時間をかけることが難しいため、多くの私立大学ではこのような英作文の問題は敬遠される傾向があります。一方で国公立の場合は足切り制度があるため、一定の倍率より受験者が多くなってしまうことはないので、多くの国公立大学で英作文が出題されているものと考えられます。

私大を目指す場合は英作文は勉強しなくて良いのか?

私立大学で英作文が出題される主な東京の大学は学習院大学・青山学院・中央大学・早稲田大学・慶應大学の一部の学部です。この内、自由英作文が出題される主な大学は、早稲田大学法学部・慶應大学経済学部・中央大学法学部・青山学院大学法学部・文学部あたりでしょうか。(傾向は毎年変わるので情報は鵜呑みにせず、受験を考えている場合は大学のHP等で確認することをお勧めします)

早稲田大学の公式サイト

私立大学の場合は英作文を全く課さない大学・学部が多く存在します。早慶でも、早稲田大学であれば、商・教育・社学・理工学部で、慶應大学であれば、商・法・理工・薬学部あたりは英作文が出ません。

では、そのように英作文が出題されない大学の場合英作文の勉強をしなくても良いのでしょうか?

結論から言うと、和文英訳の勉強は必ずしてください。ただし、自由英作文の勉強は志望校で出題されない場合は不要です。

和文英訳は文法学習の最終的なゴールです。日本語を正しい英文法を用いて英語に直すのが和文英訳なので、英文法の力がなければ正しい英文は書けないし、和文英訳を練習することで正しい英文法の運用方法を学ぶことができます。英語の問題集では選択問題から並べ替え問題になり、最後に和文英訳の問題になっていることが多いですよね。つまり、和文英訳の学習はどの大学を目指していても必要不可欠であるということです。

一方で自由英作文に関しては、英語を書くというスキルと、意見を書くというスキル両方が必要であり、後者のスキルに関しては国語に近い能力となるので、志望校に自由英作文が出ないのであれば、勉強する必要はないでしょう。ただし、自由英作文を学ぶことで、英語の論理の流れを学ぶこともでき、最終的には長文読解の役にも立つので、全く不要というわけではありません。しかし、それ以上にやるべきこと(英単語や英文法の学習など)があると思うので、あまりお勧めはしません。

和文英作の勉強の仕方

英作文の学習は英文法の理解頻出表現の暗記になります。

次の日本語を英語に直してみましょう。

「私の娘はちょうど歯磨きを終えたところだ。」

解答例としては次のようになります。

My daughter has just finished brushing her teeth.

「ちょうど〜したところだ」というのは現在完了の完了用法ですね。〈 have just 過去分詞 〉の形がすぐに浮かんだでしょうか?また、finish の後ろは不定詞[to brush]ではなく動名詞[brushing]がきます。これが文法の力です。

一方で、「歯磨きをする」という表現を英語にできるかどうかは、英文法の力ではなく、この表現を暗記しているかどうかで決まります。このような頻出の表現や頻出の英単語は覚えていて、書けるようにしなくてはいけません

英文法の理解に関しては、学校や塾で学習する問題集などをしっかりと理解しましょう。大学受験で必要な英文法の量はそれほど多くないので、中学レベルの英文法が理解できていれば、比較的早くマスターすることができます。頻出表現の暗記に関しては、終わりがありませんが、よく出るものはある程度決まっているので、参考書を1冊しっかりと覚え切れば基本的には問題ありません。

よくおすすめの参考書を聞かれるので、以下3冊あげておきます。何冊もやるよりも、1冊をしっかりと学習することが大事です。

↑文法運用方法と頻出表現に分かれているので一冊で高いレベルの和文英訳の力が身に付きます。早慶や難関国公立を目指している人には一番のおすすめです。

↑Z会のシリーズでレベル別に4種類あります。これが一番基本のレベルとなります。GMARCHや中堅の国公立を目指している場合このレベルの英作文ができれば十分でしょう。また、難関大学を目指しているが、英作文が苦手だという場合は、この参考書から始めて、上記の青い参考書へステップアップしても良いでしょう。

↑番外編です。こちらは先程の青い参考書の姉妹版で、文法の使い方にフォーカスしています。より良い英文を書くために必要な知識を学ぶことができます。ここまで書けなくても大学入試では十分合格できるので、英語が大好きだったり、英語で高得点を狙いたい場合は学習しても良いかもしれません。

以下の記事も参考にしてみてください。

例解 和文英訳教本 【偏差値70以下はやってはいけない】

自由英作文の勉強の仕方

自由英作文に必要なのは①和文英訳の力②論理的に英文を書く力です。

自由英作文を書くコツはまた今後解説しますが、和文英訳の力がなければいくら練習しても良い作文は書けません。そして、入試で及第点を取るための和文英訳の習得にかかる時間が10だとすれば、論理的に英文を書く力が身につくまでの時間は1くらいだと思ってください。つまり、和文英訳を疎かにしては自由英作文は書けません。「自分の志望校は和文英訳が出なくて自由英作文しか出ないから、和文英訳の勉強をしない」というのは、「英単語の問題が出ないから英単語の勉強をしない」というのと同じようなものです。

英語の学習においてよく4技能という言葉を耳にしますが、それぞれの技能 リーディング・ライティング・スピーキング・リスニング は全て繋がっています。バランス良く学習することで最も効率的に学習ができるのです。あまり偏った学習はせず、満遍なく学習をするようにしましょう。

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