【やってはいけない】夜遅くまで勉強

勉強にまつわる話

日本の子供たちは世界的に最も睡眠時間が少ないというデータがあるそうです。睡眠は成長する上で必要不可欠なものなので、当然睡眠不足の子供たちへ悪影響があります。医学的な話は、私には詳しくは分かりませんので、学校の現場における睡眠不足の生徒たちの実情と、睡眠の重要性について書き綴っていきたいと思います。

睡眠時間が減っている?

中高一貫校で指導をしていると、中学1年生から高校3年生まで6年間生徒を持ち上がり、翌年に再び中学1年生を担当することがあります。そうすると、6年前の世代と今の世代をつい比べてしまいます。6年間で学校の偏差値はそれほど変わらないので、入学してくる生徒の学力はあまり変わっていないはずなのに、生活習慣などが大きく変わっていることがあります。

6年前と比べて最近の子供たちの大きな違いはゲーム依存です。6年前は、家でゲームばかりして、学校に来ると授業中寝てばかりという生徒が、100人に一人程度しかいなかったのですが、最近は一クラスに2〜3人くらいはいる印象です。この6年で10倍になっています。

スマホを中学入学のタイミングで買ってもらう生徒が多く、そこから一気に依存してしまうのです。特に、「中学受験が終わったら買ってあげる」というような「ご褒美」として買い与えるとその依存は悪化する傾向が見て取れます。

話がそれましたが、最近の子供たちはスマホ・ゲーム依存により睡眠時間が減っています。その結果睡眠不足で授業を受ける羽目となり、授業中の集中力が欠け、授業についていけず、宿題に時間がかかったり、塾に行ったりし、自分の時間が取れるのが夜中になり、そこからゲームやスマホに時間を費やすため、また睡眠不足で翌日を迎えることになるのです。

睡眠時間と学力

以前、睡眠時間のアンケートを実施したことがあり、睡眠時間と学力に対して正の相関があるということが分かりました。つまり、睡眠時間が長い方が学力が高いということです。学力が高いクラスの方が、低いクラスに比べ睡眠時間が30分ほど多かったのです。

学力が高い生徒の多くは、しっかりと睡眠をとり、授業中に集中して先生の話を聞いているため、塾に行ったりする必要がなく、家庭学習も少しの時間で済むのです。結果的に自分の時間も多く取れ、睡眠もしっかりととることができるのです。しっかりと睡眠が取れているため、日中も眠くなることなく、授業に集中することができるという良いサイクルが出来上がっているということです。

もちろん、全ての生徒に当てはまる訳ではありませんが、多かれ少なかれこのような傾向があると言っていいでしょう。

遅くまで勉強してはいけない

早く寝るべきだということは理解できたが、宿題やするべきことが終わっていないので仕方なく遅くなってしまうという人も多いでしょう。ではどうすれば良いかというと、終わらなくてもいいので、寝るべき時間になったら寝るようにしましょう。

大切なことは負のサイクル(睡眠不足→授業中に寝る→理解できない→宿題や塾に時間がかかる→睡眠不足)を断ち切ることです。

宿題をやらずに学校へ行かせることに抵抗がある保護者もいるかもしれませんが、先ほどから繰り返しているようにまずは睡眠を確保することを最優先しましょう。

もちろん、睡眠時間が確保できればすぐに学力が上がる訳ではありません。長いこと負のサイクルに陥ってしまっていた場合は、しっかりとした睡眠が取れていたとしてもなかなかすぐには授業を理解できないかもしれません。しかし、理科や社会など単元の区切れがはっきりしている科目は今までサボっていたとしても比較的すぐに授業に追いつくことができるので、まずはそういった科目から頑張り、成功体験を重ねましょう。

300万円の節約

睡眠の重要性は分かったでしょうか?

睡眠不足を解消するだけで、長期的には学力の向上だけでなく、学校の授業を補うために塾に行ったり、家庭教師をつける必要もなくなるのです。そういったことに年間で50万円以上かかることも珍しくないので、6年間で300万円以上の節約になる場合もあります。

学力不振に悩んでいる場合、塾や家庭教師を検討する前に、まずは寝る時間を早くし、睡眠時間の確保に取り組んでみてはいかがでしょうか?

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