究極の英語リスニング Vol.4 【徹底解説】

リスニング

究極の英語リスニングとは?

4種類あるけどそれぞれのレベルは?

究極の英語リスニングの何が究極?

使い方

究極の英語リスニングとは

株式会社アルクから出版されているリスニング教材です。単語レベル別に Vol.1 〜 Vol.4 まで全部で4冊あります。

⇩電子書籍版です

[音声DL付]究極の英語リスニング Vol.4 6000語レベルで1万語[ネイティブが話す6000語]【電子書籍】[ アルク ]

レベルの違いは?

本文に掲載されている語彙のレベルで以下のように分かれています。

・Vol.1 1000語レベルで1万語[最初の1000語]

・Vol.2 2000語レベルで1万語[自然な2000語]

・Vol.3 3000語レベルで1万語[深まる3000語]

・Vol.4 6000語レベルで1万語[ネイティブが話す6000語] ⇦こちら

難関大学に必要な語彙レベルが6000語程度と言われています。大学受験用の単語帳ターゲット1900の到達語彙がおよそ6000語です。また、英検2級が4000〜5000語英検準1級が7500〜9000語と言われています。英検準1級に向けて、リスニング力をつけるには良い教材ですね。

実際に出てきた語彙をいくつか挙げると以下の通りです。大学入試頻出の carry out や ingredient といったレベルの語から、あまり大学受験用の単語帳には載っていないような、実用的な rice cake や drag one’s feet about というような表現まで多岐に渡っています。

neglectを軽視する
carry outを実行する
decay衰亡する
ingredient材料
rice cakeもち
drag one’s feet aboutに消極的である
clear one’s head頭をすっきりさせる
needy困窮した
sympathize withに共感する
function機能する

全4シリーズ全て扱いましたが、語彙のレベル以外で大きな違いはありません。高校1年生の教材としてVol.3 を扱ったことがありますが、語彙・文法に関しては問題ありませんでした。

中学1・2年生であれば、Vol.1 から、中学3・高校1年生であれば、Vol.2 か Vol.3 から扱うのが一つの目安ですが、高学年でも Vol.1 から学習しても問題ありません。後述しますが、Vol.4 であっても英文自体は決して難しくありません。この教材は簡単な英文を大量に聴くことが重要なので、英文を読んでみてかなり簡単だなと思うくらいがちょうど良いでしょう。

内容は?

150語 〜 300語程度の英文(一部700語を超える英文も)が45本収録されています。一つの英文は3ステップで聞き取るようにデザインされています。

基本的には会話文形式ですが、一部モノローグも含まれます。

ステップ1 イラストで状況を把握し、簡単な質問に答えながら大意を把握する

最初のテーマは「新しいショッピングセンター」で、音声はおよそ1分30秒ほどです。内容は「新しいショッピングセンターがオープンするということについてどのようなお店が入るのかについて夫婦で話し合いをする」というものです。イラストを見て、イメージを膨らませ、「どんな施設を話題にしているのか」についての大雑把な聞き取りを行います。

ステップ2 語彙を確認し、より具体的な質問に答える

次のステップは語彙のヒントを確認した後に、より詳細な質問に答えられるように音声を聞きます。質問は次の3つです。

「①夫は新しいショッピングセンターの情報を何から得た?」「②夫が面白そうだと思った施設は?」「③妻の買い物浴に対し、夫は何をすると言っている?」

ステップ3 和訳を確認し、音声を聞き、ステップ2の問題の答えを確認する

最後に和訳を見て、内容・解答を確認した上でもう一度音声を聞きます。

大学入試レベルでは十分ですが、より実用的な英語力を付けたい人にとっては少し物足りなさを感じる人もいるかもしれません。

究極のリスニングのここが究極!

易しい英文だが読まれるスピードがナチュラルに近い

リスニングで聞き取れる英文は読めばスラスラ理解できるレベルの英文である必要があります。(読んでもなかなか理解できない難易度の英文を聞くのは無理がありますよね。リスニングの力の上げ方についてはこちらの記事も参考にして下さい。リスニング【読む力と聴く力】)この教材の良い点は、英文が比較的易しく、且つスピードが速いということです。

この難易度で、これほど速く読まれる教材は、私が知る限り他にはありません。英文が簡単だと音声のスピードも遅い教材が非常に多い中、この究極の英語リスニングは英文は易しいがナチュラルに近いスピードで音声が読まれています。日本人のリスニングができない原因の多くに、早すぎて聞き取れないというものがありますが、この教材を使うことで、スピードに慣れ、聞き取ることができるようになります。

45本の英文は徐々にスピードが上がっていくように設計されているので、最初はかなりゆっくりですが、徐々にナチュラルスピードに近づいていきます。

ただし、シリーズ最上位の Vol.4 で、帯には「ネイティブが手加減なしに話し続けます」と書かれている割には、スピードはそこまで早くありません。ネイティブスピーカーが自然に話すレベルを求めていると、やや期待はずれに終わるかもしれません。個人的には、最上位レベルであり、スピードが速いことを売りにするなら、語彙のレベルはいいとして、もっと早い方が良いと思います。

聞き飽きない工夫

イラストと問題

イラストがあることで視覚的に状況を把握することができ、リスニングに集中できます。また、最初に大意を把握する問題があり、続いてより細かい問題があることで、難易度を徐々に上げ、繰り返し聴くモチベーションにもなります。

内容が面白い

英文のカテゴリーが「生活」「旅行」「仕事」「実践」と分かれており、あまり固い内容はなく、会話が基本となっています。ユーモアのある話もあったりと、気軽に聞けて、内容が面白いものが多いです。

効果的な使い方

次のように使うことが推奨されています。

1 ヒントなしで英文を聞く

  内容が理解できなければ2、3回聞いてみましょう

2 語彙ヒントを見て、分からない語句を確認してから再度聞く

  語彙が理解できているので、細かいところまで理解できるよう繰り返し聞きましょう

3 日本語を訳を見て、内容を理解してから英文を聞く

  聞き流すのではなく、頭の中で内容を理解しながら聞くようにしましょう

上記の扱い方で力がつきますが、さらに深く本書を活用するために、実際に私が学校で教えていたやり方を説明します。

① MODE1 イラストを見て、ヒントを見ずに大意を把握する

② MODE2 語彙を確認した上で音声を聞き、より詳細に関する質問に答える

③ 英文を見ながら音声を聞き、内容を把握する

④ 日本語訳を確認し、何も見ずにもう一度音声を聞く

⑤ 内容を考えながらすらすら読めるようになるまで音読を繰り返す

⑥ 音声と一緒に英文を見ながら同じスピードで音読できるようになるまで音読を繰り返す

⑦ シャドーイングを行う(英文を見ずに、音声に少し遅れて音読をする)

以上の7ステップを行えば、リスニングの力は劇的に上昇します。ポイントは聴いて終わりにするわけでなく、音読を繰り返すことです。自分で発音することができるようになれば必ず聞き取ることができるようになります。

さらに、これだけ音読を繰り返すと、自然と表現が身に付き、スピーキング力も付きます。さらに、リスニングを鍛えることで、英文を前から理解するコツも身に付き、読解のスピードも速くなり、一石二鳥どころか、一石三鳥です。

究極の英語リスニングは非常に良い教材です。レベルで悩んだら、まずは一番易しい Vol.1 から始めてみましょう。

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